大判例

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東京高等裁判所 昭和45年(う)1343号 判決

被告人 堀二六

〔抄 録〕

所論は、要するに、原判示第一の事実につき、本件被害者金菊治は、被告人と共同正犯の地位に立ち、その受傷は、自傷行為に該当するものであつて、刑法第二一一条の「人」には右金の如きは含まれないものと解すべきであるから、被告人に対しては同条を適用しえないものであるのに、被告人に対し同条を適用処断した原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある、というのである。

よつて、按ずるに、原審において取り調べた証拠によれば、右金は、被告人が酒に酔つており、且無免許であることを充分知りながら被告人の運転する自己所有の自動車に同乗したこと及び本件事故は、被告人の酒酔いに基因する過失によつて発生したものであること所論のとおりであると認められるが、被告人は、自己の意思で運転したものであり、右金は、被告人の運転に何等積極的に関与したものでないと認められるのであつて、右の事情を総合すると、右金が、所論のような立場にあつたものとは認めがたく、且所論の刑法第二一一条にいう「人」の解釈も独自の見解であつて採用できない。論旨は理由がない。

(脇田 高橋 環)

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